人工関節

現在、馬偕記念医院骨科(整形外科)の毎月平均診察人数はのべ 11,000 人、毎月の手術件数約 600 件、病床数は 141 床です。
一般骨科以外にも高気圧酸素療法センターと生体力学研究室が設けられており、前者は慢性骨髄炎、一酸化炭素中毒、放射線性骨壊死の治療を提供し、後者は陽明大学医学工程研究所と提携して人工関節、生体力学および骨疾病の研究に尽力しており、近年では将来を見据えてスポーツ医学、関節鏡、最小侵襲脊椎手術に力を入れており、脊椎外傷センターを成立させて脊椎外傷患者への救急措置、手術、リハビリといったサービスを提供する予定であり、また先進的な手術支援ナビゲーションシステム導入により多くの患者に幸福をもたらせるよう希望しています。
サービス項目

人工膝関節置換術による深刻な退化性膝関節炎の治療

説明
退化性膝関節炎の症状があまりに深刻なため経口服薬や注射治療を行っても効果が見られず、激痛と関節変形に苦しまれている患者さんには人工膝関節置換術治療がすすめられます。

当医院は台湾で最も早く、 1970 年代から既に深刻な退化性膝関節炎の治療に人工膝関節置換術を運用してきた西洋医学の病院です。

従来の伝統的な手術は激痛と変形を抑えることはできますが、患者さんが膝の曲げ伸ばし、しゃがむ、ひざまづくといった関節運動を完全に行えない等、効果が理想的とは言えない部分がありました。
ここ数年、術法がどんどん改善され、材質の研究が進んでおり、当医院では屈曲の可動範囲拡大、高研磨耐性、女性専用の人工膝関節医療器材を使用し、欧米と同時進行で病状に合った最小侵襲手術を適応して、患者さんにとって安全で快適な手術となり、術後生活に質の向上がもたらされることを目指しています。

対象患者
退化性膝関節炎の症状があまりに深刻なため経口服薬や注射治療を行っても効果が見られず、激痛と関節変形に苦しまれている患者さんには人工膝関節置換術治療がすすめられます。

人工膝関節の平均寿命は十年から十五年。すべての患者が人工膝関節への置き換えが必要なわけではなく、年齢的に若く病状も軽微な患者さんの場合、内科薬物療法や物理療法、関節鏡手術、高位脛骨骨切り術で十分に病状の改善が見られることから、関節炎の程度により適正な治療方法を選択し、治療効果の最大化を図ることになります

治療方法

人工関節 の原理は、関節の変形を矯正し、損傷を受けた関節面を切除した後、代替金属を装着し、関節両側の金属の間には高分子ポリエチレンを使って人工軟骨とし、自然の関節の効果を達成するというものです。屈曲可動角度は 135 度あり、深刻な退化性膝の関節炎に悩むかたにとって日常生活における自由な歩行や移動が可能となります。
現在、膝関節損傷の範囲と部位により置き換える関節面の選択が可能であり、置き換え範囲は専門主治医が患者さんに代わり判断することになります。

1. 膝関節腔前側磨耗:脛骨と大腿骨の関節面置換 ( PF Knee Replacement ) は、磨耗した脛骨と大腿骨の関節面を切除し、代替金属を装着するというものです。脛骨と大腿骨の関節面前方を切除するだけなので、手術時の切開の切り口が小さく、流血も術後の痛みも少なくてすむので、早期の機能回復が可能となります。

°©¬ì.PDF図:術前 X 線写真
°©¬ì.PDF図:術後 X 線写真

2. 膝関節腔内 / 外側磨耗:単顆置換型 人工膝関節置換術 ( Uniknee Replacement) は、 脛骨と大腿骨の関節腔のうち、内側または外側のいずれか一方の関節腔が磨耗している場合、磨耗した脛骨と大腿骨の関節面を切除して代替金属を装着します。

°©¬ì.PDF上図: 脛骨と大腿骨の関節腔内側、術前術後の X 線写真
°©¬ì.PDF上図: 脛骨と大腿骨の関節腔外側、術前術後の X 線写真

3. 膝関節腔前 / 内 / 外側全部磨耗:膝関節面の磨耗が激しく変形がひどい場合、全人工膝関節置換術 (Total Knee Replacement) が必要となります。 全人工膝関節置換術 は、高分子ポリエチレン製膝蓋骨コンポーネント、大腿骨コンポーネントおよび脛骨コンポーネントにより関節接合部が形成されており、膝蓋骨コンポーネントは全高分子ポリエチレン製で、骨セメントにより膝蓋骨に固定され、代替金属でできた 脛骨と大腿骨の関節面の間には、 高分子ポリエチレンでできた人工軟骨が装着され、脛骨コンポーネント上に固定されます。

ほとんどの人工軟骨は、ポリエチレンが接触するときの磨耗力を軽減させて安定度を向上させるために、大腿骨の関節面の形状に合わせて設計されます。
最先端技術により製造された 高分子ポリエチレン (UHMWPE) 人工軟骨は、強度、磨耗耐性、ともに大きく改善されました。

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手術のリスク

どんな手術にも潜在的なリスクはつきものです。手術前、麻酔医師が患者の健康状態を評価し、必要時には他科医師の診察を受けるなどして、手術のリスク最少化を図ります。糖尿病、高血圧、心臓病だからといって手術が受けられないわけではありませんが、術前に詳細な評価と予防治療が必要です。術後の合併症としては細菌感染 (Infection) の例が最も多く見られ、且つ最も恐れられており、術後数日内から、数年後においても併発する可能性があります。軽度の場合は抗生物質を投与し、重度の場合には人工関節を抜き取り、傷んだ骨を除去してから感染が抑制されるの待って、新しい人工関節に置き換えます。幸いにもこのような発生例は少なく、当医院における人工膝関節置換術の例のなかで、その発生率は 0.5 %以下です。感染の発生は、バイオクリーンルームと術中、術後の抗生物質投与により回避することができます。

手術のメリット

  1. 人工関節の耐久性がよく、患者さんの生活の質の改善につながることが、長期の追跡調査により実証されています。
  2. 現在では最小侵襲手術が採用され、切開の切り口も小さくて済み、痛みも軽減されており、当医院においては 全人工膝関節置換後、五日前後で退院の運びとなる場合がほとんどです。

手術の合併症とその

手術は成功率が高く、合併症併発の可能性も低いですが、傷口癒合不良、不安定等、ごく少数の合併症併発例があります。

神経血管の損傷、細菌感染、骨折、脂肪塞栓、静脈血栓塞栓症、曲げ伸ばしメカニズムの問題および硬化。切開切り口位置の適切な選択、危険因子の認知、および問題発生時の適切な応急処置により、皮膚への問題は回避することができます。靭帯バランスと曲げ伸ばし時における関節裂隙バランスに注意を払うことにより膝関節安定度を維持することができ、神経血管の損傷もほとんど見られません。当医院における全人工膝関節置換の技術と経験をもってすると、上記合併症併発の確率はかなり低く抑えることが可能です。

静脈塞栓は膝関節置換のときに最も併発しやすい致命的な合併症であるだけに、予防措置が欠かせません。予防措置として早期の活動、運動、下肢マッサージ機の使用、静脈血栓を防ぐ薬の服用等がありますが、これらの合併症は、正確な手術の技巧とコンポーネントの適正な選択によって回避することが可能です。

最近五年間の成功率と患者の実例


手術名称 Code 件数
Shoulder hemiarthroplaty 81.81 11
Total elbow 81.84 4
Total wrist 81.73 0
Total finger 81.71 1
Total Hip 81.51 88
Hemi Hip 81.52 146
Total knee 81.54 231
Ankle 81.56 0
注:データ2006/8/1—2007/7/31
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農業従事の男性。術後の効果はてきめんで、直立状態からスムーズにしゃがむことが可能。

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米国在住の婦人。退化性膝により深刻な X 脚となり、友人の紹介で台湾に戻って手術を受けた。術後の効果には非常に満足で、医療費の少なさにも驚きを禁じえない